イギリス英語ってこんなに違う!

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バッキンガム宮殿の衛兵交代式@ロンドン


先日、動画配信サービスでイギリスを舞台にするドラマを見ていたら、「おや?」と思う字幕がありました。
英語の台詞は、"I was totally pissed"でしたが、字幕は「私は完全に怒っていた」という趣旨になっていました。

 

アメリカの口語表現に詳しい方なら、"piss (somebody) off" という表現をご存知でしょう。
(誰かを)怒こらせる」という意味で、こんな風に使います:

"He's such a jerk. He really pisses me off."
(訳:彼って超イヤな奴。マジでイライラする。)

ちなみに"off"を省略して、"piss"だけで使うこともあります:
"She was pissed!"(訳:彼女、めちゃ怒ってた!)

 

しかし、イギリスの口語表現では、"be pissed"「ベロベロに酔っぱらっている」という意味になります。
アメリカなら、 "be wasted" という表現が同じ意味で使われますね。
上記ドラマの"I was totally pissed"という台詞も、こちらの「ベロベロに酔っぱらっていた」という意味が正解でした。

 

このように、同じ英語を母国語とするイギリスとアメリカですが、実は使うボキャブラリーがかなり異なります。
日本では、アメリカ英語のほうが馴染み深いため、イギリス英語独特の単語や表現をご存じないかたも多いでしょう。
せっかくなので、代表的なものをリストアップしてみます。

 

イギリス英語 ⇔ アメリカ英語 (意味)
lift ⇔ elevator (エレベーター)
mobile (phone) ⇔ cell (phone) (携帯電話)
lorry ⇔ truck (トラック)
flat ⇔ apartment (アパート・マンションの部屋)
bill ⇔ check (レストランでの伝票)
pram ⇔ stroller (ベビーカー)
tea towel ⇔ dish towel (食器を拭くための布巾)
boot ⇔ trunk (車のトランク)
petrol ⇔ gas, gasoline (ガソリン)
tube / underground ⇔ subway (地下鉄)
loo ⇔ bathroom (お手洗い)*1
plaster ⇔ band-aid ばんそうこう
queue ⇔ line (お店などで並ぶときの列)
trainers ⇔ sneakers (スニーカー)
jumper ⇔ sweater (セーター)
trouser ⇔ pants (ズボン)*2
fizzy drinks ⇔ sodas ソーダ類)
bubbly ⇔ champagne, sparkling wine シャンパン、スパークリングワイン)*3
crisps ⇔ potato chips (ポテチ)
chips ⇔ French fries (フライドポテト)
ice lolly ⇔ popsicle (アイスキャンディー)
aubergine ⇔ eggplant (なす)
fag ⇔ cigarette (タバコ)*4
take-away ⇔ take-out (お料理などのテイクアウト)
mum/mummy ⇔ mom/mommy (ママ)*5
stag/hen party ⇔ bachelor/bachelorette party*6
pissed ⇔ wasted (ベロベロに酔っぱらっている)
knackered ⇔ wiped (疲れ果てている)

 

ざっと、よく使われるものを挙げてみましたが、たくさんありますね。
いかがでしたか? 聞き覚えのあるものもありましたか?
最近はテレビや映画、YouTubeなどの影響で、アメリカ人もイギリス人もお互いの言葉・文化にだいぶ慣れ親しんできましたが、それでもやっぱり彼らが日常的に使う言葉はこんなに違うんですね。
イギリスとアメリカを比較しましたが、カナダやオーストラリア、ニュージーランドアイルランド、アフリカの英語圏諸国など、英語圏の国はまだまだあり、それぞれで独自の言葉・表現があります。
英語の世界は奥が深いですね。

 

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*1:"toilet"は両国で通用します。また、"loo"は少しハイソな言い方かもしれません。イギリスで "bathroom"と言うと、お風呂場を連想してしまいます。

*2:アメリカでも、ズボンのことを "trouser"と呼びますが、男性用のズボンを指すことが多いです。イギリスで "pants"と言うと、下着を指すので要注意!

*3:"bubbly"がイギリス独特の言い方ですが、イギリスでも "champagne, sparkling wine"は使います。

*4:イギリスでも "cigarette" を使います。アメリカでは、"fag"は男性の同性愛者を指す差別的な表現なため、要注意。

*5:「パパ」はイギリスでもアメリカでも、"dad/daddy"です。

*6:新郎または新婦が結婚前に独身最後の夜を祝うパーティー。新郎なら "stag(英)/ bachelor(米) party"、新婦なら "hen(英)/ bachelorette(米)party。通常、それぞれ同性のみが参加します。イギリスでは、"hen do / stag do"と表現することも。